松翁会歯科診療所
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Shouohkai Dental Clinic

上顎前歯部造骨後にインプラント埋入

 患者さんは某銀行の元常務でロンドン支店でも勤務され海外畑も歩まれていた方でした。上顎前歯欠損ケースです。もともと歯並びがいい状態ではなく、笑っても口唇がめくれ上がって歯茎が見えるような方ではないため、審美性を求められる患者さんではありませんでした。治療の選択肢としてブリッジも提案しましたが、当院で10年以上前に入れた左下臼歯部3本のインプラントが調子がいいので、是非インプラントでやって欲しいとのことでした。
 インプラントを埋入するうえで骨幅が足りないのがCT撮影で確認できたので、まず造骨処置を行いました。骨補填材が十分骨化するのを待ってインプラントを埋入しました。骨の厚みはインプラントを埋入するうえで十分でした。写真にあるように水平的な造骨はいいのですが、前歯部の垂直的な造骨は現在のところハンガリーのウルバン先生のところでセミナーを受けないと学べない状況です。今回のケースは水平的はもとより垂直的にも骨を失っていました。現在の私では水平的には骨を造れるが垂直的には困難なのでブリッジを提案した次第です。垂直的にも造骨しないとインプラントに長い歯冠が入ることになります。しかし冒頭で述べたように笑っても口唇がめくれ上がって歯茎が見えず、審美性は気にしないという方でしたのでインプラントで治療することになりました。
 造骨後の骨熟成を待機している間は仮歯で過ごしていただく形になります。患者さんは夜中の歯ぎしりを自覚しており、また下の前歯が深く噛みこんで、仮歯の裏側がどうしても薄くなってしまい、頻繁にプラスチック仮歯が壊れてご迷惑をおかけしました。少しずつプラスチックの厚みを増やす配慮をして、なんとか最後は持ちこたえてくれましたが・・・
 抜歯からスタートし、粘膜の治癒を待って造骨処置、骨熟成を待機してインプラント埋入、インプラントと骨の結合を待って歯肉移植、インプラントから立ち上げる仮歯を調整、最終歯冠補綴(最終的な被せもの)でゴールという長い道のりでした。
 もしこのケースが審美性を求められる場合には矯正治療が必要であったと思われます。また垂直的な骨造成の技術も必要と考えます。下顎臼歯部の垂直的骨造成はある程度やり方が確立されています。上顎となると1㎜程度ならともかく、それ以上となるとハンガリーブタペストのウルバン先生のオフィスでセミナーを受けなければならないのでしょう。技術の進歩にあと何年ついていけるか。今年の暮れに還暦を迎えますが、まだまだ元気でいたいものです。(長谷川)

投稿日:2020年2月20日  カテゴリー:インプラント