松翁会歯科診療所
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Shouohkai Dental Clinic

骨粗鬆症の薬が歯周病に有効か?


 アメリカ歯周病学会雑誌からインドの国立大学のグループが行った臨床治験の話。骨粗鬆症の薬であるビスフォスフォネート(以下BP)は、骨を食べる破骨細胞の働きを阻害し、骨密度の低下を妨げようとする薬である。骨粗鬆症も歯周病も骨が破壊されてしまう病気だから、この薬を使えば同じようなメカニズムで歯周病が改善されるのではないかという発想のようだ。慢性ではなく、急速に進行する歯周病においては歯周病菌に宿主が過剰に反応し、歯を支えている顎の骨の吸収が急速に進んでしまい、歯の喪失につながりやすい。論文の主旨は、破骨細胞の働きを抑えて骨吸収を抑制するBPを、急速に進行する歯周病に応用し、その有効性を検証しようというものである。治験は17人の急性歯周病患者の骨吸収を起こしている52部位に対して、歯周ポケット内の歯石を取ったあと、BPをゲル状にしてポケット内に送り込み、2ヶ月後、6ヶ月後で効果を判定している。その結果、6ヶ月後には、歯周ポケットの減少、骨の回復が認められたという。歯周ポケット内に入れ込む薬としては、抗生物質のペーストが認可されている代表的なものだが、難治性の急速進行型の歯周病患者にとってはBPの有効性、安全性(BPを投与されている患者に歯科外科を行うとわずかな確率とはいえ難治性の顎骨壊死が起こることがある)が更に確立されれば、将来的に福音となるかもしれない。論文には表が出ていたが、骨の回復を示すレントゲン所見がなかったため、臨床家のはしくれとしては、ちょっと物足りない気がした。

投稿日:2011年5月30日  カテゴリー:アメリカ歯周病学会誌から