Shilla System(シーラシステム)とは
頭はボーリングの玉と同じくらいの重量(7kg~8kg)があります。
それが細い頚椎に支えられているため、バランスを崩しやすいと言われています。
頭の姿勢で重要な役割を担っている咬み合わせにおいて、下顎は上顎と顎関節を介して結びついています。
この関係は歯の並びによってバランスが保たれ、身体の姿勢をも左右する大きな要素と言われています。
咬み合わせの歪み(左右のバランスが悪いなど)は審美的な問題に加え、頭痛、肩こりなどの原因となる可能性があるばかりでなく、頚椎、骨盤の歪みをおこし全身的な健康を損ねることもあると考えられています。(図1)
※咬み合わせを直せば頭痛、肩こり、骨盤の歪み等が直るとは限りません。咬み合わせとの関連は可能性があるというだけで医学的にエビデンスが証明されているわけではありません。誤解の無いようにお願い致します。
健康に深くかかわる姿勢は、身体の正中を中心に左右対称であることが望ましいことは明らかです。
Shilla System(シーラシステム)は咬み合わせ理論の第一人者である阿部晴彦先生が南カリフォルニア大学で多くの著名な先生に師事し、帰国後多くの年月をかけて開発したものです。
様々な器具を駆使し、身体の正中(顔の正中)を基準とし、機能的・審美的な咬み合わせ、すなわち理想的な咀嚼器の条件である左右対称、左右同高、左右同傾斜を持った、正しい咬み合わせを作ることを可能にしました。
理想的な左右対称の咬み合わせを構築して体の重心バランスを整えることにより、良好な咀嚼行為のみならず、咬み合わせが原因である場合の頭痛、肩こり等の改善にも貢献することを可能にしました。

この正中矢状面(図2)を基準とする咀嚼器構築法Shilla System(シーラシステム)を活用し、欠損歯列補綴(ほてつ)(※)、咬合再構築、審美補綴に重点をおき、”健全な身体は健全な咀嚼器に宿る”ことを目的とし、患者様の正しい咬み合わせの診査・診断と治療、そして歯周病の治療を歯科衛生士と協力して行っています。
※補綴…歯の機能を補うこと
こんな時にシーラシステムは有効です
かみ合わせが崩壊してしまって
どういった高さ(咬合高径)で補綴物を作っていいかわからない時

左右同高で前後的にも
理想的なかみ合わせの平面を決めたい時

歯や顎を表現する模型を被せものや義歯を作る時の咬合器に
顔との位置関係を保ちつつ再現したいが
通常の器具を使うとずれてしまってうまくいかないことがある時

歯が全くないか殆どなく
かみ合わせの再構築が必要な場合の基準がほしい時

症例解説
術後はきれいにするだけでなく、術前に顔の正中に対して斜めに入っていた義歯を、シーラシステムの器具を駆使して垂直になるように直しました。
