治療計画の重要性
診断模型および治療計画の重要性

インプラントの治療計画作成の方法には補綴主導型(トップダウントリートメント)と外科主導型の2種類があります。
補綴主導型(トップダウントリートメント)は模型上でモックアップを作り機能的、審美的に最も適した最終補綴物(上部構造)の位置を決め、それに基づきフィクスチャーの埋入位置の決定、それにあたって歯槽骨、歯肉を望ましい条件に整えるという治療計画の立て方です。
外科主導型は歯槽骨の状況等を考慮し、もっとも有利な位置にフィクスチャーを埋入し最終補綴物の位置はフィクスチャーの埋入位置により制限されます。フィクスチャーありきの治療計画の立て方です。
インプラント手術の目的はフィクスチャーの埋入ではなく、機能、審美の両面の改善であるため、理想的にはトップダウントリートメントが望ましいと考えられます。しかしトップダウントリートメントでは骨量として必ずしもベストではない位置にフィクスチャーを埋入する事となるためGBR(造骨処置)が必要となる事が多くなり人工骨などの充填材の質に依存する事となります。 一時期はトップダウントリートメントでの治療計画が流行しましたが人工骨の吸収による不良予後のケースも散見されたため、現在は外科主導型でフィクスチャーをしっかりと埋入するという事に重きをおくという考えに揺り戻しがおこっている状況にあります。
ただ、トップダウントリートメントが理想であるという事実は変わりなくより吸収の少ない精度の高い人工骨等の充填材の開発により将来的にはトップダウントリートメントが主流になると考えられます。